避難所生活での肩こり予防法
この度、令和8年熊本地震で被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。一日でも早く日常が戻ることをお祈り申し上げます。
被災地では電気や水道が復旧してない地域があり、自宅の損傷などで避難所での生活を余儀なくされている方もたくさんいらっしゃると思います。
避難所での生活を経験された方のお話では、「地震直後は自宅が倒壊したショックや余震の怖さで体のことは気にならなかったが、時間の経過とともに肩や腰に痛みを感じることが多くなった」とおっしゃられていました。
大きな災害の直後は、家族の安否や住まいのこと、これからの生活のことなど、考えなければならないことがたくさんあります。
余震が続けば、「また揺れるのではないか」という恐怖もあります。
そんな状況では、肩が凝っていても、腰が痛くても、自分の体のことを考える余裕がないのは当然のことだと思います。
しかし、少し時間が経って緊張が続くと、首や肩、背中などに痛みや重だるさを感じはじめることがあります。
避難所では限られた空間の中で、多くの人と共同生活をすることになり、不安を抱えた状態で充分に休むのは難しいかと思います。
そんな方々の不安を少しでも和らげることができればと思い、肩こりを防ぐために避難所でできることをご紹介させていただきます。
避難所でできる肩こり予防ストレッチ
避難所でも比較的簡単にできるストレッチをご紹介します。大きなスペースを必要としないものなので、できる範囲で行ってみてください。
ただし、痛みが強い場合は無理をしないでください。
・わき腹のストレッチ
身体が緊張している時は、自然と体を丸めた姿勢を取ることが多く、脇から体の側面にある筋肉も硬くなりやすくなります。
やり方
1、頭の上で両手を組む
2、組んだ両手を頭の真上の方向に伸ばす
(10秒程)
3、両肘を伸ばしたまま上体を左側に倒 し、10秒程キープする
4、ゆっくりと体をまっすぐ戻し、
今度は右側も同様に行う
目安回数:左右2セット
・首のストレッチ
緊張する首周りの筋肉も緊張しやすくなります
やり方
1、 ゆっくりと天井を見上げる
2、 首の前側が軽く伸びるところま来た
ら、そのまま10秒ほどキープする
目安回数:2セット
首を動かしたときに痛みが強くなる場合は、無理に行わないでください。
・顎のストレッチ
やり方
1、 ゆっくりと天井を見上げる
2、 気持ちがよいところまで来たら、口を 開けて10秒キープ
目安回数:2セット
声が出せるのであれば「あ~」と言いながら行うと、より筋肉が緩みやすいです。
避難所生活では、なぜ肩こりが起こりやすいのでしょうか?
避難所では、普段とは全く違う環境で生活することになります。
例えば、
・周りにたくさんの人がいる
・いつ余震が来るか分からない
・十分に睡眠を取れない
・いつもと違う枕や布団で寝る
・同じ姿勢で過ごす時間が長くなる
・荷物を持ったり運んだりする機会が増える
・これからの生活に不安を感じる
こうしたことが重なることで、知らないうちに体が緊張します。
特に「いつ余震が来るか分からない」という状況は、体にとって大きなストレスになります。
少し物音がするだけで、
・「地震かな?」と反応してしまう。
・夜になっても、完全には安心して眠れない。
・横になっていても、体のどこかに力が入っている。
緊張したとき、体はどうなるの?
人は強い不安や恐怖を感じると、体が「自分を守ろう」とします。そのとき、無意識に肩をすくめたり、首を縮めたり、背中を丸めたりすることがあります。
例えば、怖いことが起きたときに、
「肩に力が入っていた」
「歯を食いしばっていた」
「体がこわばっていた」
という経験はありませんか?
これらは、自分で意識して行っているわけではありません。体が緊張しているために、自然と起こる反応です。
短時間であれば問題になりにくいのですが、その状態が長時間続くと、首や肩、背中の筋肉に負担がかかります。
さらに、体を丸めた姿勢が続くと、胸やお腹の前側が縮み、背中や肩周りの筋肉にも負担がかかります。
その結果、
「肩が重い」
「首が動かしにくい」
「背中が張る」
「頭まで重く感じる」
といった症状につながることがあります。
つまり、避難所での肩こりは、単純に「姿勢が悪いから」だけではありません。
不安や緊張、睡眠不足、慣れない環境など、さまざまな要因が重なって起こることがあります。
心と体はつながっています
災害後の生活では、体の痛みだけでなく、心も大きな負担を受けています。
・不安になる
・眠れない
・落ち着かない
・小さな物音にも敏感になる
・何をしていても地震のことが頭から離れない
そんな状態になることもあると思います。
心が緊張すると、体も緊張します。
体が疲れると、心も疲れやすくなります。
・ゆっくり息を吐く。
・肩の力を抜く。
・少し体を伸ばすなど
できる範囲で構いませんので、ご自身の体を少しだけいたわってあげてください。
最後に
避難所では多くの不安があるかと存じますが、その中でも「いつもでこの生活が続くのか」先が見えないことへの不安が、最もこたえるのではないかと思います。
ご自宅のこと、ご家族のこと、お仕事のこと、これからの生活のこと、考えなければならないことが、たくさんあると思います。
まだまだ安心して過ごせるようになるまで、時間かかるかもしれませんが罹災証明書の発行や、建物の公費解体も始まったとお聞きしました。
被災された皆様の心身の健康と、一日も早い復旧・復興を心よりお祈り申し上げます。
(監修:柔道整復師 安武 建)
カテゴリー:ブログ
投稿日:2026年10月05日
